エクステンションバーの相性についての検証。その1
相性の参考に,凸側寸法をSnap-onのFX3と比べてみました。検証に使った3/8Sqのエクステンションバー類はこれ。
これは2002年にアップしたちょっと古い工具の比較です。現行の工具とは違うと思われますので,あくまで参考でお願いします。
要は,各社とも公差が違うんですよということを言いたかったのです。見てのとおり,同じスナップオンでも1984年製と1950年代
の物では寸法が違うのです。

上から,
 ◆アメリカ製ノーブランドのロッキングエクステンション(S・K製に酷似)
 
 ◆HAZET 8821-5(ドイツ)
 
 ◆Beta 910/21(イタリア)
 
 ◆Snap-on FVX-6(1950年代の軍用品らしい。アメリカ)
 
左の列の上から,
 ◆TOP A-123(平ラチェット用ソケットアダプター:国産)
 
 ◆PROTO 5259(IR傘下時代の製品。アメリカ)
 
中の列の上から,
 ◆BELZER 7760(1980年代のサンドビック以前の製品。ドイツ)
 
 ◆Williams B-108(WilliamsはSnap-onの子会社。アメリカ)
 
 ◆CRAFTSMAN 44356(ロッキングエクステンション。アメリカ)
 
 ◆Snap-on FX3(今回の標準とした1984年頃の製品) 
右側 
◆MAC XRS1(リング付きエクステンションというべき製品。アメリカ)



Snap-onのFX3の寸法でノギスを止めておき,他社の物に当てるという方法です。
ノギスの精度ではこの方法が限度。



Snap-on FVX6 1950年代はSnap-onも雑な梨地仕上。入らない。

Williams B-108 Snap-onの子会社なので合いそうだが入らない。 



MAC XR1 1inのエクステンションにリングを圧入した物。入らない。


CRAFTSMAN 44356 ロッキングエクステンション。入らない。


PROTO 5259   入らない。


BELZER 7760 全体の形はFX3に似ている。入らない。


Beta 910/21 これはぴったり。ほぼ同寸法。 


 HAZET 8821-5 Snap-onよりだいぶ小さいようだ。
入るが相当ゆるい。


S・K製に酷似したノーブランドのロッキングエクステンション。入らない。 
 


国産 TOP A-123平ラチェット用ソケットアダプター。
入るが相当ゆるい。



まとめ:その1

最終的に全種類の寸法を比べてみると,細い順に,HAZETとTOP(ほぼ同寸法)。その次がSnap-onFX3とBeta(ほぼ同寸法)。その次がWilliams。
その次がPROTO,CRAFTSMAN ,Snap-onFVX6(ほぼ同寸法)。その次がBELZERとMAC(ほぼ同寸法)。そして,ノーブランドが一番太い。
そして,さらに凸と凹の組み合わせでガタが出るか試してみた。1穴の物(MAC,CRAFTSMAN,PROTO)は同じメーカー同志でも穴とボールの大きさが違うため殆どガタガタです。そのためある程度きっちりさせて使うには穴のない所にボール部分を差すしかない。1穴でもMACは比較的キッチリしている。
ちなみに,エクステンションバー相互を差してみると次の結果になった。
1穴タイプのメーカーは逆が出来ないのでMACのみですが,Snap-onの凹に対してはどれも比較的キッチリ入りました。
MAC凸   → 凹Snap-on FX3   ピッタリ。   Snap-on FX3凸 → 凹MAC  1穴タイプなのでまったくダメ。
BELZER凸 → 凹Snap-on FX3  少々ぐらつくがほぼピッタリ Snap-on FX3凸 → 凹BELZER  ピッタリ。
Williams凸 → 凹Snap-on FX3  横方向にちょっとぐらつく。 Snap-onFX3 凸 → 凹Williams   横方向にちょっとだけぐらつく同じような感じ。
Beta 凸→ 凹Snap-on FX3  横方向にぐらぐら。差し込み方向は動かない。 Snap-onFX3 凸 → 凹Beta   横方向も差し込み方向も動く。Sq部寸法は同じはずだが…
HAZET凸  → 凹Snap-on FX3  キッチリ入る。 Snap-onFX3 凸 → 凹HAZET   横方向だいぶぐらつく。差し込み方向も動く
しかし,エクステンションバーの延長はイレギュラーな使い方であるし,さして問題も無いように思える。同寸法?のはずのSnap-on対Betaがまったくダメなのと,大きいはずのSnap-on凹に小さいHAZET凸を挿してもピッタリ,という結果や,小さいはずのハゼット凹に大きいSnap-onの凸を挿してもグラグラという結果とSnap-onにはどこのメーカーの物を差し込んでも比較的キッチリ入るという結果をみても,特別Snap-onの精度が高い訳ではないみたいだ。
単に,Snap-onは凹側の受け入れ許容が広いだけだと考えられます。その受け入れ許容の差はどこからくるのか?ハンドルに差して検証してみました。
検証結果は次のページで!
その他,余計な事など

自動車板の工具スレで「Betaのエクステンションバーは凹側と凸側が45度捻ってあるけど意味あるの?」という書き込みがあったので,今回検証したエクテンションバーを再度調べたら,結構バラバラな事が判りました。FACOM,CRAFTSMAN,PROTOは45度捻りと捻り無しが混在していて,ズレている物もある。
HAZETやBetaは概ね45度捻りで,中にはズレている物もある…。Snap-on,Williams,BELZERは捻り無し。という感じでした。どこのメーカーもそんな感じで,角度を45度捻る意味は機能的にはあまり無いのかも。ホームセンターで見たKTCは,製品版は全て45度捻りだったが,工具セットの物は角度がバラバラでした。
これは,見た目重視?で,製品版には敢えて45度捻りの物を選んでパッケージしているのかもしれません。
蛇足ですが,Snap-onは古い物も含めて1/4sqから1/2sqまで全部調べましたが,全て捻り無しで,角度がズレている物が1本もなかったのは,流石!という感じです。




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