Snap−onトルクメーターの年代判別について

2ちゃんねるバイク板工具スレに,このダイヤルのSnap-on製トルクレンチはいつ頃の製品だろうか?との書き込みがありました。
そこで,俺の手持ちの’60年代製デッドストックのトルクメーターを参考に判別の目安を書いてみます。Snap-onのトルクレンチは
本当に製作年がわかりづらいのです。結局,前記の文字盤も俺の物も正確な製作年は不明なのだった…!(苦笑



俺がいつか交換しようとスペアに持っている'60年代CM-KG単位の文字盤。'70年代になると目盛の内側が赤く塗られたはず。
SNAP-ONというロゴはトルクレンチの場合メーカーロゴとは別物で単にメーカー名を表すだけのもの。
パテントナンバーが入っているが,2682796が1954年,2715333が1955年,2792734が1957年,3069903が1962年だから
有効年数20年として,どのパテントが記入されているかによっても年代を判別出来る。少なくともこの文字盤は1974年以前だ。



'60〜'70年代にかけてはこのメーカーロゴが使用されていた。これも年代判別の目安になる。



'60年代迄のトルクメーターはハンドルがアルミダイキャストである。
これが'70年代になるとコストダウンのため?なのか,単なるパイプを切り落としたような現行と同じ形になる。
しかしながら,こんな古い物が箱入り新品で2002年の廃業まで在庫していた信和商事には脱帽?するしかない…!



TORQMETERはSnap-onの登録商標だ。トルクレンチ類は外注製作なので製造年を判別するイヤーマークは付いて無い。
シリアルナンバーで判別するしかないかも。蛇足だが,Snap-onのトルクレンチはCDI製とよく言われるが,古い物に限っては
それは間違い。CDIがSnap-on傘下になったのは1995年であるし,Snap-onのトルクレンチ製造元が変わり始めたのは2002年。
それ以前はPrecision Instrumentsという会社が生産していた。この会社は1938年に K.R. Larson という人が設立したのだが,
この人こそ文字盤にある4パテントの考案者である。その後も多くのパテントを取得してSnap-onのトルクレンチを作り続けて
いたが,それらのパテントがすべて有効期限を過ぎたので関係が解消された?らしい。そして,Snap-onを生産していた時は
自社ブランドでは発売していなかったが,提携が切れたのでPrecision Instrumentsブランドで販売する事になったようである。

(アイコンをクリックでメーカーのページへ)
ちなみに,Precision Instrumentsは今でも旧型Snap-onと同型のトルクレンチを生産(ラチェット部はSnap-on製ではないが)して
おり,同社はSnap-onの傘下企業ではなかったが,専属の下請けのような感じで,創業から2003年までSnap-onのトルクレンチ
だけを造り続けたメーカーであった。パテント考案は確かに創業者のK.R. Larson氏だが権利自体はSnap-onが持っていたこと
から,何らかの提携があったのは間違いのない事実であろう。





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