国外不出の工具たち???(その2 : 現行KOBALT編) アメリカから国外販売不可?の工具を「ヤバイ方法」(ウソ)で個人輸入してみました。 もしかしたらここが日本で唯一の?コバルト工具紹介サイトかも???なんと!当ぺージが商標争いの参考資料にされていたのです。京都ブラスの商標がコバルトの商標に類似しているとして異義申し立てがあり,当ページが引用されて「日本ではコバルトの商品が普通には流通しておらず著名度は低い」として京都ブラスの商標の継続使用が認められたもの…。詳細は参考リンクで。 |
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KOBALTの工具 (ロゴをクリックでKOBALTのページへリンク) |
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アメリカのホームセンターやスーパーには安価で良質な独自ブランドの工具がある。日本で有名なのはSearsで売られているCraftsmanだが,他にもHOME DEPOTのHusky (製造はSTANLEY)など,いくつかの店は独自に販売をしている。しかし,Huskyはその殆どが台湾製だし,KOBALTもかつてレンチ類はアメリカ製だったが,それ以外の工具は殆どが台湾や中国製に変わっていった。Craftsmanは結構頑張っていて?未だにアメリカ製品の比率が高い。で,今回紹介するのはLowe'sで売られているKOBALTだが,Lowe'sはSnap-onと1998年に合弁会社を設立しており,かつてのKOBALTはJH.Williams製だった。しかし,2003年からは製造元がDanaher変わり,しばらくはアメリカ製が続いていたのだが2011年からは台湾製に…!。もしかすると現在はDanaher製ではなくなったのか,Danaher傘下の台湾LEA-WEY製かもしれない。ちなみに,このページで紹介しているKOBALTは初期のDanaher製(Made in U.S.A)の物である。 | |
ラチェットハンドルはこんな感じ 上が今回買ったKOBALT。下は参考に置いた同じDanaher製のCraftsman ↑表側 ↓裏側 KOBALTはメッキがピカピカのフルポリッシュでグリップデザインはオリジナル。 Danaherはこれのデザインを少しだけ変えてS・KにもOEM供給している。 Craftsmanは仕上げが雑で明らかに別物だが,KOBALTとS・Kは同じ物?と 考えてよさそうだ。しかし,S・Kのハンドル#3860は$40.62もしますが…! ちなみに,このラチェット機構(US.PAT.5178047)はDanaher傘下のEASCO という会社が持っており,ALLENやグループ最高級品であるMATCOも 機構自体は全く同じで製造工場も同じらしい。さすがにメッキや材質は違う だろうが…。 (リンク先のMATCO製ハンドルの定価は$51.65でSnap-onのT936よりも高い!) ちなみに2007年後半,KOBALTのラチェットハンドルはこのような形にモデルチェンジしている。 仕上げはフルポリッシュではなく,下側のクラフツマンのような平べったい感じ で,一部ポリッシュのサテン仕上げになってしまったのが残念。やはりS・K並の 表面仕上げにするとコスト割れ?してしまうのかもしれない。 |
今回輸入したKOBALT製品(カッコ内は現地価格) それぞれの工具のイメージファイルに直接リンクします。 1/2Sqソケットセット($23.96) 10mm〜20mmのソケット10個+ソケットレール コンビネーションレンチセット($37.86) 8mm〜19mmのレンチ10本+レンチラック(ラックは中国製) 1/4Sqソケットレンチセット($34.86) 5/32in〜1/2inのソケット10個 4mm〜13mmのソケット10個 3/16in〜1/2inのディープソケット10個 ドライバーハンドル,エクステンションバー ラチェットハンドル,ケース(ケースは中国製) ちなみに,今回輸入の工具自体は全てアメリカ製だ。 |
KOBALTラチェットハンドルの新旧比較(画像はHPより) 上が今回買ったDanaher(Easco)製で,下が旧型のWilliams製。 旧型は切替レバー部分を斜めに切った形状が特徴で,このデザインは Snap-onが所有するUS.PAT.D423891というパテントで機構自体は 前ページのBAHCOと同じだ。ちなみに,現行も旧型もプッシュリリース 機構付きである。 |
ソケットはこんな感じ(1/2Sqの物) ソケットは「K Drive」という名称の面接触で,中の 仕上げはさほど悪くない。 メッキはあまり強くなさ そうで,裏側のメッキが最初から剥がれる箇所が あった。1/4Sqの方は問題なし。 Sq穴の拡大画像 Sqの差込はボールの填る溝が2段になっている。 ボールは最初に開口している1段目の溝に軽く填り, さらに押し込むと2段目の正規位置の溝に填る といった具合。何でこうなっているのか疑問だったが, 調べたらパテントを取得してる事が判明。接触面を 多くしてトルク増大を考慮してるらしい。しかし,まだ 肝心の?ラチェットハンドルは製品化されていない ようであるが…。 |
コンビネーションレンチ(これは17mmの物) スキャナ読みとりのため黒くなってしまったが,スパナ部側面とメガネ部 外周のみがポリッシュ仕上げで,その他の部分は梨地仕上げという よくあるパターンだ。安価なので当然だが,加工はハッキリ言ってあまり良く なく,Craftsmanよりも落ちる感じ。昔あったPROTOの安物第二ブランドである Challengerに似ている。(Challenger といっても誰も知らないか…?) レンチのデザイン自体は同じDanaher製であるALLENの刻印を変えただけ という感じだ。 |
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リング部分とスパナ部分 リング部の座繰りは意外と浅い。リング内の仕上げはこの価格の 工具としては普通だろう。スパナ部の入り口は面取りされているが, 側面にかかるエッジは面取りされていないので,力が掛かるとポロッと メッキが剥がれそうだ。各サイズを比べてみると仕上げにバラツキがあり, やたら綺麗なのと汚いので両極端。19mmのレンチなどはメッキの 掛かっていない箇所があった。 とにかく,全てに言えるのはバリの処理と表面研磨処理が甘いという事。 このあたりはホームセンターの工具だし,価格を押さえるためには 仕方が無い事かもしれない。 この価格でもアメリカ製で生涯保証。(保証の審査は厳しいらしいが…) |
レンチのパッケージはスグレモノ 裏側にあるプラスチックリベットの頭を2本切る。 なんと!パッケージの一部がホルダーになっている。 PAT.と書いてあるのでDanaherのパテントなのか? パッケージに書いてある説明書 |
簡単なインプレッション コンビネーションレンチのメガネ部は意外と?薄口で良い感じ。グリップもメッキの仕上げこそイマイチだが,握った感じは悪くはなく締め付け時に手が痛くなる事もなかった。1/4Sqハンドルの切り替えレバーやプッシュリリースボタンは軽く軽快に操作出来る。ただし,軽すぎるので切り替えレバーが使用中に中立になって空転してしまう事がある。同じ機構のクラフツマンやアレンはそんなことは無かったので,これ単体の癖かもしれないがこれはイマイチだ。ソケットに関しては,エクステンションバーを差し込む時にボールの入る穴の一段目に4角ドライブの角の部分がハマってしまう事があり,これもイマイチ。このパテントが使われる2段爪のSq部を採用したハンドルが発売されるまで先行投資だから?ガマンという事か。メッキは今のところ剥がれる気配はなく良好だ。まぁ,日頃からガンガン使う工具としては及第点。 |
で,その「ヤバイ方法」とは…??? 今回輸入した工具は,アメリカ国内専用?のようで,何店か問い合わせをしたが国外に送ってくれる店はありませんでした。 というより,BAHCOに限ってはネット販売自体が殆どされていないようだし,Lowe'sはアメリカ国内のみの発送で,KOBALTはLowe's以外では買えない。近々アメリカに行く友人もいないし,さてどうしたものか…!散々考えて,2つの方法が思いついた。商品転送サービスかアメリカ国内に私書箱を持つか…。色々調べたら,商品転送は1店1回で手数料\2,000円程度+実費送料。私書箱の方は年会費\2,000程度+発送毎に保険,手数料,会社規定の転送料といった感じで,何店かバラバラに発注しても全部届いて揃った時点で送ってくれる。俺の場合,今後の事もある?ので後者を選択し,今回の個人輸入となりました。 まず,私書箱サービスの会社に年会費を払い,私書箱をもらう。日本から通販会社に商品を発注し発送はその私書箱に送ってもらう。私書箱サービス会社は発注された商品が全部届いたところで,まとめて俺の所に梱包して発送…というような手順だ。今回,かかった費用は商品の価格の他,アメリカ国内の送料と私書箱から日本までの送料,保険,手数料なのだが,BAHCOはアメリカ国内送料無料。Lowe'sはアメリカ国内送料が$23.16。私書箱から日本迄の転送料が$106.32だった。 請求金額は全部合計すると$279.05で,カード会社の請求が\29,527。さらに個々の商品について計算すると…? BAHCOが¥9,058 1/4Sqラチェットセットが\7,388 コンビネーションレンチセットが¥8,024 1/2Sqソケットセットが¥5,057 と,いう結果になりました。果たして,これは高いのか安いのか…???個人的には結構安く買えたと思うのだが。 まぁ,日本で普通には手に入らない物が手に入ったのだからヨシとしよう。結局,「ヤバイ方法」でも何でもなかった訳でした。(笑 |
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