モンキーレンチのヲタク知識…
モンキーレンチは何故「モンキー」というのでしょうか…?



自動車整備にはあまり使わないが,大きなナットを回すモーターレンチという工具がある…
実は,Charles Monckyという人が1858年頃発明した自在レンチがこれの形に近く,
モンキーの名称は,猿のMonkeyではなく発明者であるMoncky氏の名前が由来のようで,
本人が知らぬ間に誤記されて?言いやすいMonkeyに変わってしまったのかも。という事は,
後年正常進化?したこれをモンキーレンチと呼ぶのが本当は正しいのかもしれない。
ちなみに,1880年にS.H BELLOWSが取得したパテントで既にMonkey Wrenchという
名称が使われています。



で,これがMonkeyならぬ “Moncky Wrench” だ!!



信和商事の倉庫の奥から発見?されたもの。1950年代以前の製品と思われる。
BEAMIS&CALLというメーカーのアメリカ製。
錆びているが使用した形跡がないのでおそらくデッドストックで,当時は新品だったのだろう。
リンク先は「AMERICAN WRENCH MAKERS」からのPDFファイル(381KB)です。参考まで。



これも信和商事の倉庫の奥から発見?された中古品で,さらに古い物みたいだ。
なんと!握りの部分が木製の割柄である。これは1940年以前の製品だと思われる。
刻印はW&B CO.と書いてあり,本で調べて見るとWITMAN&BARNESというメーカーだった。
その本にある1910年のカタログにまったく同じ形の物が載っていたのには驚き!
W&Bはその後,1920年にWILLIAMSに吸収されたが,引き続きW&Bの名で売られたらしい。
リンク先は「AMERICAN WRENCH MAKERS」からのPDFファイル(286KB)です。参考まで。


調べるために思わず買ってしまった本3冊…。
アメリカからネット通販で買いました。


AMERICAN WRENCH MAKERS
($27.95)
メーカーの由来はこの本で調べました。
1930年迄のアメリカンレンチメーカーの一覧。
年代的にSnap-onもギリギリで載っている。


AMERICAN MACHINIST'S TOOLS
($30)

1916年迄の工具のUSパテント一覧。
見ていると,今普通に使っている工具って
殆ど100年以上前のパテントなんですね。


MAKERS OF AMERICAN
MACHINIST'S TOOLS

($30)
マイクロメーター他,ゲージメーカーの一覧。
これ見ていたら,ソケットツールでソケットと
ハンドルを切り離したのはSnap-onが元祖
では無い事が判明?この件は次の機会に…


MORE MAKERS OFAMERICAN
MACHINIST'S TOOLS

($22.5)
左の本の続編。これもマイクロメーター,
ノギス他,ゲージ類のメーカーの一覧。
モンキーレンチとは関連が少ない?のだが,
勢い余って?追加で買ってしまった!(笑


モンキーレンチの歴史関係参考リンク
☆The Davistown Museum
☆History of Wrenches
☆Martin J. Donnelly Antique tools  上記の本を買った店。古い工具も売っている。


モンキーレンチの歴史関係PDFファイル集
☆BAHCO発明以前のアジャスタブルレンチのUSパテント
 (1877年のL..S STARRETTと1880年のS.H BELLOWSのパテント)
アジャスタブルレンチの発想は1892年以前にも存在しました。このファイルを見ると,1880年には既にMonkey Wrenchと表記されています。
☆CORTLAND FORGINGが1891年に生産開始したBAHCOと似たギア機構のパイプレンチ。 ウォームギヤで回す発想はBAHCO発売以前にも…。
☆JP Johansonが1892年に発明しパテント取得したBAHCO製の元祖?アジャスタブルレンチ
(BAHCOではモンキーレンチとは言わない。)


ちなみに,現在のL..S STARRETTは,今なおアメリカの測定機器関係でトップレベルのメーカーである。(リンク先はメーカーHP)




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