ポジドライバーにも相性があるのかを試してみた
(2007/8/12UP!)
昔は英車くらいでしか見かけなかったが,最近はポジドライブのビスも普通に見かけるようになった。
ちなみに,俺がよく利用するIKEA(イケア)の組み立て家具もポジドライブが多用されている…。
余談だが,イケアの店頭に並べられている家具は殆どがプラスドライバーで組み立てられているようで,
ビスの溝は潰れ,ナメまくりで見るに堪えられない…!誰か「これはポジドライブなんだよ。」と,社員に
教えてあげてくれ… って,お前が教えろよってか(笑。しかしながら,IKEAでは純正工具セット(チャイナ
製の100均レベルの工具。スウェーデン製でないのが残念!)も売られていて,その中にはちゃんと?
ポジドライブのビットも含まれているのだが…!


今回,検証に使った各種ポジドライバーの先端形状(すべてサイズはPZ2です。)
左から,PB 192,BAHCO 6820,台湾STANLEYビット,APEX 440ビット,BOSCH(USA)ビット,
Snap-on SDM252ビット,PB C6-192ビット,LUX 585534,PB194である。BAHCO 6820,
台湾STANLEYビット,BOSCH(USA)ビットの三種類のみが先端が丸い。他のメーカーは全て
先端が平坦に削り落とされている。



今回,検証に使ったポジドライブ(PZ2)のビス
イギリス製のスクワイヤーというサイドカーの
純正品だ。新品ではないが,ナメていないので
今回の検証に使用。


左側がポジドライブの略図だが,右側の+とは
違って溝は奥まで同じ幅だ。+(フィリップス)の場
合,穴はテーパー状になっているので,先に行く
ほど幅が狭くなる。それで前々ページで検証した
とおり,ポジドライバーは+のビス頭には嵌らない
し,その逆で+ドライバーをポジのビスに当てると
ユルユルで使えない。だから,イケアの店頭にある
展示用の家具はビスの溝がナメまくりなのである。



PB 192(1980年代製)
かろうじてホールド。この後落下した。しかし,
何回か当ててみると全くホールドしない時もあり
実質ホールドしないと考えてよい。少し隙間が
あってグラつく。スイス製。




BAHCO 6820(1990年代製)

横向きではホールドするが,下向きにすると暫く
して落下。グラつきや隙間は比較的少ない。
このドライバーのデザインは旧スウェーデン製と
同じだが,GERMANYの刻印があり,ドイツの
ベルツァー製と思われる。



台湾STANLEYビット(1990年代製)

ぴったりホールド。少々振っても落ちない。
蛇足だが,台湾ではスタンレーの事を
「史丹利」と表記する。台湾製。



APEX 440ビット(1980年代製)
まったくホールドしないのでビスにビットを乗せて
撮影。先が奥に届いてしまって浮いている感じ。
隙間がありグラグラである。相性は最悪。
アメリカ製。



BOSCH(USA)ビット(1990年代製)

ホールドするがガタあり。軽く振る分にはホールド
しているが強く振ると外れる。アメリカ製。



Snap-on SDM252ビット(1980年代製)
隙間も少なくグラつきも無いのだが1秒程度しか
ホールドしない。マグネットのビットドライバーで
使用するのが前提なのかもしれない?

蛇足だが,スナップオンのビットは昔から
Zephyr Manufacturingというメーカーが作って
おり,このビットにもゼファー製であることを示す
○の中にZの刻印がある。アメリカ製。



PB C6-192ビット(現行機種)
きついくらいピッタリ。けっこう強めに振っても
外れる事はなかった。 ガタや隙間も殆ど無い。
このビットはナノコート仕上げという特殊な仕上げ
で,七色に輝く?玉虫色でとても綺麗。スイス製。



LUX 585534(現行機種)
かろうじてホールド。暫くして落下した。
ガタは多めでグラつく。このドライバーは
felo製でSeries 400のOEMである。ただし,
本家とは違ってグリップの頭にあるドライブ
形状のシンボルマークは省略されている。
ドイツ製。



PB 194(現行機種)
ぴったりホールド。少々振っても落ちない。
ガタも少なめなのでグラつかない。スイス製。



Bost 617220
かろうじてホールド。暫くして落下。しかし,
ガタは少なめであまりぐらつかない。この機種は
KTCなど各社にOEMされるシリーズとは違って
廉価版の物。先端のショットブラスト加工も無く,
メッキも黄色っぽい弱そうな仕上げ。フランス製。

ポジドライバー相性のまとめ

プラス(フィリップス)と形状が違うとはいえ,想像
どおり相性は存在しました。今回検証した中で相性
が最悪なのはアメリカ製のAPEX。
穴よりビット先
の方が細めで尖っているためまったくフィットしません。
先を削って加工すれば良くなるのかもしれませんが,
おそらく,これが合うポジのビスも存在するだろうから
とりあえず加工は止めておきましょう。

最良なのはPBの現行機種。
ナノコートのビット
(C6-192)に至っては,きついくらいピッタリで
強く振っても落ちないというものでした。

傾向としてポジドライバーの場合,+(フィリップス)
に比べドライバーを押し込んでも食いつかない感じ
がします。ビス頭の溝が入口から奥まで同じ幅とい
うのも一つの理由かもしれません。

+の場合はテーパー状なのでドライバーを押し込め
ばクサビを打ち込むような感じになり,食いつくの
だと思われます。

ちなみに,最近はポジドライブやISO準拠の+ドラ
イバーも付属書としてJIS(JIS B4633付属書1)
にも記載されており,今後はその規格に基づいた
国産のドライバーも登場するかと思われます。




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