整備工具,はじめの一歩(その2)
(バイク版:初めて買う工具 第二段階)
このページは,前ページの第一段階で揃えた工具に追加する工具です。お金に余裕のある人は第一段階と
同時購入が理想です。再度書きますが,この内容は一般的な国産中排気量車を想定していますので,大型の
外車などには当てはまらないし,ここに載っているサイズその物を買う事を勧めている訳でもないのでご注意を。
あと,これは本当に何も持っていない人がまず買うべき工具の説明で,整備するための必要工具一式という
意味ではありません。分解整備するためには他にも必要な物はたくさんあります。


第二段階
さらに,ステップアップとしてその1の工具にこれだけ追加。(各工具にカーソルを当てると説明が出ます。)


マイナスドライバー。+2スタビドライバー 。HEXビットソケット。 170mm程度のニッパー。
プライヤー。ウォータポンププライヤー。 150mmエクステンションバー 。バイスプライヤー 。
上記以外サイズのソケット。ディープソケット。 スライディングTハンドル 。メガネレンチ。スパナ 。
300mm程度のモンキーレンチ。 ヤスリ。圧着ペンチ。 

この,第二段階を国産で揃える場合の例として,ドライバーはベツセルのメガドラ
ソケット,エクステンションバーはコーケン 。HEXビットソケットも同じく3012M-75。
ニッパーはケイバのETシリーズ。プライヤー類はIPSのHT200。薄口スパナはTOPのLSTシリーズ。
スライディングTハンドルとメガネレンチはKTC。モンキーレンチはTOPのハイパーレンチ
ヤスリはツボサン。圧着ペンチはロブテックスのFK-1。といったところか。
ちなみに,バイスプライヤーだけは輸入品だが高くないし,頑丈さでオリジナルのバイスグリップをお勧めします。
注:リンク先は全て別ウィンドウで開きますので開きすぎに注意!PCの動きが悪くなります
また,最近はメーカーのカタログがフラッシュ使用で頻繁に更新されるためリンク切れはご容赦!





スライディングTハンドル
Sq差し込み部を端に寄せれば力を掛けて回せるし,Sq差し込み部をセンターに置けば早回し出来る優れ物。セン
ターに溝のあるタイプの方が素早く正確に?Tハンドルになるのでお勧め。上画像のような古い物はSq差し込み
部が回ってしまう構造だが,その点について各社最新の製品は改良されており,バーの断面を楕円にしたり,ス
ライドする方向に縦溝を付けてSq部が不意に回ってしまう事がないようになっている。
(画像の各工具にカーソルを当てると説明が出ます)




プライヤー
上は車載工具に使われる物と同じタイプのコンビネーシ
ョンプライヤーで,下が薄口のシンノーズプライヤー。
両者の厚みはこんなにも違う。薄は厚を兼ねる?ので,
どうせ買うならシンノーズタイプを買おう。
(画像の各工具にカーソルを当てると説明が出ます)



スパナ(オープンエンドレンチ)
通常の物は奥側の物で,手前が薄口タイプ。薄口は強
度確保のため少し頭が大きく,多くのメーカーの薄口タ
イプははロートルクで使うスパナだ。スパナで力を掛け
る事は殆ど無いし,通常タイプは第一段階で買ったコ
ンビネーションに付いているから,第2段階では薄口タ
イプを買おう。これもまた薄は厚を兼ねる?
(画像の各工具にカーソルを当てると説明が出ます)



マイナスドライバー
左は軸より先が広い普通のタイプ。テーパー状で厚さが
増すと幅も広がる形状なので1本で数種類のマイナス
ビスを回せるが,溝をナメる確率も高い。中はマイナス
の面接触と言うべき平行刃のVSM規格。右は軸と先が
同じ幅のセットスクリュー用。キャブレターなどに使うの
は右のタイプだ。マイナスは厚さと幅の組み合わせが幾
つもあり,ピッタリの物を使おうと思ったら何本も必要に
なるから,まず買うのは普通のタイプだけでいい。
(画像の各工具にカーソルを当てると説明が出ます)



HEXビットソケット
初めてビットソケットが必要になるのは,フロントフォー
クの分解等で奥まった所のHEXボルトを回す時等だろ
うから,最初買うなら右端の長めのタイプを勧めます。
一番安く済むのは,左端のビットホルダー&ビット。第
一段階で買ったインパクトドライバー付属のビットホル
ダーにHEXビットを買い足せば良い。中右側の物は一
体型の頑丈なタイプで,インパクト用に多く使われる。
(画像の各工具にカーソルを当てると説明が出ます)



圧着端子と圧着ペンチ(端子の形状と圧着部の対比)

バイクやクルマの電装に使われているのは左側の連鎖型裸端子(オープンバレル)。第2段階で圧着ペンチを買
うとすればこの形用の物。中間はヨーロッパ車に多く使われる絶縁圧着端子。右側は制御盤や電気工事に使わ
れる裸圧着端子。それぞれ端子と圧着部の組み合わせがあるので買う時に間違えないように。絶縁端子を裸端
子用のペンチで圧着する間違いが一番多く,これをやると端子の絶縁部が破れてしまって意味がない。あと,
外国製圧着ペンチは端子や電線のサイズが国産と合わないためお薦めできない事も付け加えておきます。
(画像の各工具,端子にカーソルを当てると説明が出ます)
関連ページ:「ダメだった輸入工具」(圧着工具の比較検証)



Sq部が回転してしまうという事についての説明。KTCさんスマソ。画像パクリました。(笑 センター溝付きスライディングTハンドル(PROTO製) センター溝無しスライディングTハンドル(HAZET製) ビットホルダー&HEXビット : ビットだけを各サイズ買えば一番安く揃えられる。(APEX製) ショートタイプHEXビットソケット(HAZET製) 一体型ビットソケット : これはインパクト用だがハンド用にもある。こちらのタイプの方が頑丈だ。HEXビットソケットはこの長さが一般的。(Ko−ken製) 少し長めのHEXビットソケット : バイクの場合この長さが一番使いやすいと思う。(HAZET製) スイスの規格であるVSM規格。ドライバーとスクリューの組み合わせは一つしかないので,ドライバーは規格の数だけ10本が必要になってしまう。(HAZET製) これは普通のタイプ。マイナスドライバーは殆どこの形だ。先はテーパー状で厚さが増すと幅も広がる形状なので1本で数種類のマイナスビスを回せるが,溝をナメる確率も高い。(S・K製) 軸と先の幅が同じセットスクリュー用(IRAZOLA製) 連鎖型裸端子 : 自動車電装は殆どこの端子 連鎖型裸端子用圧着ペンチ(LOBTEX製) 絶縁端子 : ヨーロッパ車に多く使われている端子。 絶縁端子用圧着ペンチ(MILBAR製) 裸端子 : 制御盤や電気工事用 裸端子用圧着ペンチ(LOBTEX製) 薄口スパナ : これはサイズが13mmだが厚さは3.6mm。(FACOM製のこれはロートルク用ではないのが凄い。) 通常のスパナ: サイズが13mmの場合,各メーカー共に厚さは6〜7mm程度ある。(KOBALT製のこれは実測6.2mm。) コンビネーションプライヤー : 国産車の車載工具は殆どがこの形の物。(DIAMOND製) シンノーズプライヤー : 先端は角張っているが,コンビネーションプライヤーの薄口物だ。 (CRESCENT製) マイナスドライバー : 先端の幅と厚み別で数本。先端の広がらないタイプはキャブレター調整に使う。マイナスの場合ボルスターは必要ないと思う。 +2スタビードライバー : 狭いところで活躍する。 HEXビットソケット : 5,6,8,10mmの各種。使っていないバイクには不要。ちょっと長めのサイズが使いやすい。 コンビネーションプライヤー : 薄口のシンノーズタイプが良い。 スパナ : サイズは必要に応じて。どうせなら薄口タイプが良い。 エクステンションバー : 150mm程度の長さの物。 バイスプライヤー : ロッキングプライヤーとも言う。ガッチリ挟みたい時に使う。柔らかい物に使うと潰してしまうので注意だ。ちなみに,代名詞とも言えるバイスグリップはIRWINの商品名だ。 ニッパー : どうせならピアノ線を切れる物を買おう。 ウォーターポンププライヤー : 大きな物,太い物を掴むのに使う。これは必要に応じて買おう。 ソケット : さらに必要なサイズを買う。11,19mmくらいだと思うが。 ディープソケット : これも必要なサイズを買おう。 スライディングTハンドル : センターに溝のある物の方が使いやすい。 メガネレンチ : さらに大きな必要サイズを買う。これは27*32の組み合わせ。 モンキーレンチ : 必要ならば長さ200〜300mm程度の物を買おう。 圧着ペンチ : 電装をいじる場合は必須?オープンバレル端子用を買おう。 ヤスリ : これも必要に応じて買おう。


整備工具,はじめの一歩(その1)に戻る。





整備工具,はじめの一歩(その3)へ


inserted by FC2 system